タクシーで営業していると色々な出来事に出会うのだが その中でも忘れ物や落し物に関する出来事はとても多い 傘や手袋 化粧品 カーデガンなどの服類 買物した商品 スマートフォン ビデオカメラ 色々な小物類 財布にいたっては数十万円入っていた物まである その多くは手にもって乗車したり 乗車中にカバンやポケットから出して座席に置いたのを忘れて降りてしまうパターン
その多くは降車後に連絡があり返せる物がほとんどだが 連絡が無ければ警察に落し物として届ける
最近は日本に来る外国人が多いのは誰もが感じてるところ ある時 タクシーに乗車した若い女性二人のアジア系外国人 カタコトの日本語で車で20分ほどのところにある警察署に行って欲しいとのこと また また乗った辺りまで戻るので待っていて欲しいとも頼まれた 「わかりました 大丈夫ですよ」
目的の警察署へ向かう途中で日本語で話し掛けてみた 一人の女性がまぁまぁ日本語が通じるので 「日本語が上手ですね どうやって覚えたのですか?」 すると彼女たちは某大学の留学生であることを話してくれた 「警察署へはどうして?」 「彼女(日本語がまだわからない一人)がスマートフォン 落として 凄く困っていて 探して そこの警察署にあるとわかった」
警察署へ着いて10分ほど待ってると 笑顔で戻って来た 「スマフォは無事に戻りましたか?」 「はい 有りまし 落として失くした物が戻って来る日本は凄いです! ホント凄いと思います 私の国ではないです」と とても嬉しそうに話すところが印象的だった
以前 車中にビデオカメラを忘れた外国人がいて 宿泊中のホテルまで届けた時も 「妻が絶対に戻って来ないから って言ったけど 日本は戻って来ると聞いてた やっぱり戻ってきたよ」と とても喜んでいたこともあった
《シマ吹くろうの心感覚》
『正直者が馬鹿を見る』と言う言葉がある 高価な価値のある物を拾った人は 他の誰にも気づかれなければ自分の物にすれば得するわけです でも 多くの日本人は価値ある物でも拾った人が落とした人に戻るように努力して最善の方法を取リますね 法律上のこと倫理上のことだから 治安の良い日本で世の中の安心を大切に考え守る意味もあるでしょう また日本人には他人を思いやる慈しみの精神があり 価値ある物を落とした人が本当に困るだろうと考えて 自分が得する状況にあっても返せる物は本来の持ち主に戻す この思いも強くあるのかな
いずれにせよ 価値ある物を拾ったら次の権利を思い起こし自分の心に正直であれ! と思う
落とし物を警察署に届け出ることにより、拾得者として以下の3つの権利から選べる ただし落とし物を拾った日から7日以内(管理者のいる場所で拾った場合は24時間以)に届けること
① 遺失者に報労金を請求する権利 遺失者が判明した場合、落とし物の価値の5%から20%の間で遺失者からお礼を受けることができる。ただし、駅、デパート等の施設で拾われた場合、お礼は施設と折半となるので、落とし物の価値の2.5%から10%となります。
② 3か月以内に遺失者が判明しない場合、物件を受け取る権利 3か月経っても遺失者が見つからなかった場合、落とし物を自分のものとして受け取ることができる
③ 物件の提出 保管に要した費用を請求する権利
①から③の権利については、いずれかを選択して主張すること 又は一切の権利放棄することもできるのです