私は 25歳。
場所はカナダ・バンクーバー。
ノンフィクションです。
ワーキングホリデービザを片手に観光ビデオクリエイターとして奔走していた頃の話。
私はカメラマンらしくと、鼻から下に髭を蓄えて、日々仕事に夢中になっていた。
その日、私はある新婚カップルの撮影依頼を受けていた。
カナダ大陸横断鉄道から降りて来るところをお迎えした。
「初めまして」
「よろしくお願いします」
爽やかなバンクーバーの空の下、カメラ越しに覗いた新婦は、現役で劇団女優をされているという垢抜けた美しい大人の女性だった。
この女性の過去、、、かつての面影は潜められ、当然、私が気づくはずもない。
撮影が始まって少し経った頃、彼女が少し怪しげな笑みを浮かべてこう言った。
「やっぱり… 私、この人を知ってる」
頭の中が一瞬で真っ白になった。
『え、どういうこと? 誰?? こわい、怖い』と心でつぶやいた。
私は目を点にしながら、ただ立ち尽くすしかなかった。
ニヤニヤしながら話す彼女の言葉を聞いていくうちに、霧が晴れるように繋がっていった。
少し動揺して、震える手でカメラを抱え直し叫んで言った。
「嘘でしょ…? なんでここに!?」
そう、彼女は『小学校の同級生』だった。
「髭も生やしてるのに良くわかったね!」
「何となくわかった!」
17年ぶり、しかもバンクーバーという地球の裏側で、撮影者と依頼人として再会したのだ。

子供の頃、一緒に学んで遊んだあの子が、姓を変え、全く別人のような素敵なレディになって、私の人生のカメラに写り込んできた。
この世界には、数え切れないほどの人がいて、数え切れないほどの場所がある。
その中で、17年の時と、約8,000キロの距離を超えて、またこうして「再会」という奇跡で引き合わされた。
人生の巡り合わせは、時として計算不可能なほど劇的で、とても温かく不思議。
"ゆらぎ" のいたずら?
それとも、神様の導き??
カメラマンをしていて良かった、と心から思った、忘れられないカナダ・バンクーバーの奇跡の再会です。